感染予防対策

当院は、第一種・第二種歯科感染管理者が在籍する「歯科感染管理施設」です。

 板東歯科医院南昭和オフィスでは、特定非営利活動法人日本・アジア口腔保健支援機構による「第一種歯科感染管理施設」「第二種歯科感染管理施設」の施設認定を受けており、「第一種歯科感染管理者」と「第二種歯科感染管理者」が在籍しています。

 感染症の有無や病態に関わらず、すべての患者に適用される感染対策のことを標準予防策:スタンダードプリコーション(Standard Precaution)と言い、歯科感染管理者は標準予防策を高度なレベルで行えるよう、継続的に学ぶことを義務として課せられています。

たびたび問題になる診療機器の使いまわし

 2014年に読売新聞より衝撃的な記事が掲載されました。1991年のアメリカで起こったキンバリー事件が有名ですが、たびたび歯科診療の機器の滅菌不備による院内感染の危険性が取りざたされています。

 歯科診療は外科処置が多いため、院内感染には細心の注意を行う必要があります。当院でも常に感染予防の知識をアップデートし、最先端の器具の滅菌や院内感染予防を行えるよう努力していきたいと思います。

2014年.読売新聞

口腔外バキューム(フリーアーム東京技研社製)による診療室内のエアダスト防止

 トリートメントゾーンでは、全ての治療ユニットに口腔外バキュームがついています。治療中に生じるエアロゾル(歯を削った際に生じる極小の粉じん)を吸い込むと院内感染だけではなく、健康にも害があると言われています。口腔外バキュームはそれらを吸い取るためのものです。
 下の動画はハイスピードカメラで診療中のお口の周りを映したものです。小さい霧のようなものが、細菌など汚染物の含まれるエアロゾルです。口腔外バキュームがエアロゾルをほとんど吸引している様子がよくわかります。

最新の滅菌設備を導入した、高度な滅菌室を有しています。

 器材の滅菌は、滅菌を専用に行う滅菌室(Sterilization room)にて行います。滅菌に関する高い専門知識を持った「JAOS認定の第一種・第二種歯科感染管理者」が常駐しており、ウォッシャーディスインフェクター・超音波洗浄器による予備洗浄、滅菌パック包装、オートクレーブによる滅菌工程など最新設備を使用した滅菌処理を行っています。

インプラントなど手術は清潔なプレミアルームで行います。
安心・安全の院内感染予防対策とは?

 風邪に代表される細菌、ウイルス、真菌などが、人から人に移っていく感染症。病院という場所柄、生活を行う場よりの感染症に感染しやすいという現実があります。病院に治療に行って、違う感染症になる可能性があるということは、実は非常に危険なことなのです。

 細菌、ウイルス、真菌などは目に見えないため、感染を完全に予防するのは至難の業ですが、医療人として感染を防ぐために努力することは、当たり前のモラルです。

 感染予防対策とは、そういった感染からゲストの皆様をお守りする、病院を上げて取り組んでいる予防対策です。ゲストの皆様のお口に入るものはすべて滅菌済みかディスポーザブル(1回使い捨て)の器具を使用することを基本としています。

ラテックスアレルギーへの対策(ニトリルグローブの使用推進)

 ラテックスは天然ゴムに含まれる主成分です。天然ゴムが使われている製品は、医療では医療用手袋が多いです。このラテックスにアレルギーを持つ方が増えています。そのため板東歯科医院南昭和オフィスでは、一般診療でゲストの方に使用する医療用手袋をすべてニトリルグローブにしています。ニトリルグローブはラテックスを使用していないため、ラテックスアレルギーの心配がありません。

 しかしほかにもラテックスが含まれる医療材料もありますので、ラレックスなどにアレルギーのある方は必ずスタッフにお伝えください。

院内感染は、どうやって感染するの?

 病院内で感染症を起こす場合の感染ルートは、前の患者様の保有している菌が医療スタッフの手や器具につき、次の患者様に感染する交叉感染を最も気をつけなければなりません。

 つまり十分な手洗いや、器具の消毒・滅菌がされていないと、感染してしまいます。またスリッパをはく場合、除菌されたスリッパでなければ水虫に感染してしまうかもしれません。

当院で行っている院内感染予防対策
1.ウォッシャーディスインフェクターで予備洗浄を行った後、消毒薬を満たした超音波洗浄器で一次消毒を行います。
2.一次消毒終了後、水洗で消毒薬をきれいに流し落とし、滅菌パックに袋詰めしたあとシーリングを行い密閉します。
3.滅菌パックのまま高圧蒸気滅菌器(オートクレーブ)にて二次滅菌しています。
4. 熱に弱いタービン類はカボ社のクワトロケアにて洗浄、注油を行った後、専用のモリタ社の高圧蒸気滅菌器(オートクレーブ)にてお一人使用ごとに滅菌しています。このためタービン・ハンドピース類は60本以上、クワトロケアとオートクレーブは2台づつご用意して安全な治療を提供しています。
5.高圧滅菌できないもの(ゴム製品など)は、グルタールアルデヒドなどの、殺菌性の非常に強い薬液に浸して消毒します。
6.滅菌終了後、治療に備えて保管します。
清潔な診療室環境を作る上で努力していること
こだわり1…「JSOI認定歯科感染管理者!」
 特定非営利活動法人日本・アジア口腔保健支援機構の認定を取得した「第一種歯科感染管理者」と「第二種歯科感染管理者」が在籍しています。
こだわり2…「他の方が使用したスリッパは使用しません!」
 スリッパが水虫などの感染源にならないようにするためと、「他人のはいたスリッパは困る」という皆様のご意見を参考にして、当院では土足のフロアにしています。

 ■プレミアゾーンは完全土足厳禁ですので、スタッフは紫外線殺菌済み医療用スリッパをはき、ゲストの皆様には使い捨てのスリッパをご用意しています。
こだわり3…「徹底した清掃、消毒!」
 診療前には噴霧式アルコールで診療台を消毒し、スタッフは手洗い、速乾式アルコール消毒の上、使い捨てグローブ着用を敢行しています。
 これは、スタッフ全員が清潔域と不潔域の考え方を徹底し、スタッフの手からの感染を予防し、皆様に安全に診療を受けていただくためです。
こだわり4…「非常に清潔なプレミアルーム!
 プレミアルームでは、手術室用空気清浄機(クリーンエリアプラス)を用い、“清浄度クラス10,000”の清潔で安全な空間を作り出します。

■清浄度クラス10,000とは・・・ 粒子径が0.5μm(ミクロン)(たばこの煙0.1~0.5μm)以上の粒子が空気1ft3(立方フィート)中に10,000個以下である室内をクラス10,000と呼びます。一般的な医科用手術室がクラス10,000~100,000とされていますので、それと同等かそれ以上に清潔といえます。
こだわり5…「診療室の空気まで清潔!」
 トリートメントゾーンでは、全ての治療ユニットに口腔外バキュームがついています。治療中に生じるエアロゾル(歯を削った際に生じる極小の粉じん)を吸い込むと院内感染だけではなく、健康にも害があると言われています。口腔外バキュームはそれらを吸い取るためのものです。
こだわり6…「ユニットのエア、水まで除菌!」
 治療やうがいなど、皆様にお使いする水は、抗菌フィルターに通して除菌しています。ユニットの抗菌フィルターは、定期的に交換しています。
こだわり7…「可能な限りの使い捨て器具!」
 皆様にお使いする器具、製品類は、可能な限りディスポーザブル(使い捨て)にしています。これにより、器具の再使用による院内感染を予防しています。
(PMTC用ラバーカップ、エバチップ、滅菌パック、麻酔針、麻酔カートリッジ、うがい用紙コップ、エプロンなど)  
 これからもディスポーザブル可能になった器材は、どんどん採用していきます。
こだわり8…「環境にやさしいごみ処理!
 医療廃棄物は、専門の業者に処理を委託し、環境にもやさしい安全な病院を目指しています。
 医療廃棄物等焼却処理の専用の廃棄箱を用いています。(四国メディカルトリートメントセンター、アサヒプリテックの2社に委託)
こだわり9…「飽くなき感染予防への探求!」
 感染予防対策のセミナーにも参加しています。
 徳島大学病院で行われた、日本でも有数に感染予防対策が進んでいる東北大学病院の玉澤先生のセミナーにはスタッフ全員で参加して、いろいろ参考にさせていただいています。また診療室は熊本県の生田図南先生に師事し、オペ室は東京BOCの小宮山彌太郎先生に師事し、常に知識をブラッシュアップしています。