親知らずの難抜歯、埋伏抜歯
親知らずとは、一番奥の歯、つまり永久歯の第三大臼歯のことで、合計4本あります。親知らずは、みんなが生えるものではなく、全く生えない人や全部揃っていない人もいます。
正常に4本生えてきたらほかの歯と同様に大切にしてください。問題は、生え方の異常な親知らずです。
そのような場合は、隣の歯や噛み合う歯に悪影響が出るので、抜歯したほうが良いことが多いです。
抜歯の手順について
合併症について
① 痛み:麻酔が切れると強い痛みがでるので,早めに鎮痛薬を服用してください.痛みは1〜2週間持続する場合もあります.
② 腫れ:抜歯後は口の中だけではなく,顔(頬)まで腫れます.腫れは抜歯後2〜3日目がピークですが,1〜2週間持続する場合もあります.
③ 出血:抜歯した翌日くらいまでは,つばに血が混じります.新しい出血が続くようでしたら,ガーゼを抜歯したところに当てて噛んでください.大抵は20〜30分で血は止まります.それでも血が止まらない場合には連絡してください.
④ 開口障害:抜歯によって口が開きにくくなります.腫れが引くとともに改善していきますが,1〜2週間かかります.
⑤ 嚥下痛:抜歯によって飲み込むときに喉に痛みが生じます.腫れと共にその痛みも減少していきます.
⑥内出血:抜歯を行った部位の皮膚が内出血を起こすことがあります。通常はだんだんと黄色く変色しながら内出血の部位が下のほうに降りてきて最終的にはなくなります。
これらの症状は通常1~2週間程度で落ち着きますが,それ以降に症状が増悪する場合にはご連絡ください.
⑦ 知覚麻痺:歯が骨の中を走る太い神経に近い場合,抜歯をした方の下唇からアゴにかけてしびれがでることがあります(文献では難抜歯をした患者さんの5%くらいにしびれがでるといわれています)。歯が内側にある場合には舌にしびれが出ることがあります。しびれの回復には個人差があり,1ヶ月で回復することもあれば,半年から1年かかる場合もあります。しびれの範囲はだんだん小さくなっていきますが,場合によっては,一部にしびれが残る場合もあります。