口腔がん検診

口腔がんとは?

 口腔がんとはその名のとおり「お口の中にできるがん」のことです。多くは舌、口腔底(舌の下側)、歯肉にできます。日本では年間約6000人もの人が罹患し、今後高齢化社会の進行とともに増加すると言われ、2015年には約10,000人になると言われています。早期がんの5年生存率は90%と良好ですが、進行がんでは50%と低く、また治癒しても大きな機能障害が残ります。

 そこで口腔がんにおいても早期発見と早期治療ががとても重要となります。しかし、早期がんは無症状である場合が多く、医療機関への受診が遅れ、がんそのものの診断が遅れることが多いです。

口腔がん検診とは?

 お口の中の大部分は、誰でも直接目で見ること、指で触れることができます。したがって患者様ご自身による自己検診も可能ですが、早期がんは自覚症状が少ないの一般の方にはわかりにくいと思われます。このことは日本において口腔がんが早期に発見され割合が低く(約18%)、多臓器のがんに比べて専門医療機関を受診される率が低いことからも分かります。

口腔がん検診の方法

 お口の大部分は直接目で見て、指で触れることができるので、検診は問診、レントゲン検査とお口の視診・触診が中心となります。

 口腔がんの特徴として首のリンパ節に転移しやすいことが挙げられますので、首のリンパ節も触診で検診させていただきます。

 必要な場合には細胞診、組織検査、生体染色法などと言った専門的な診断法を行うこともあります。

もし口腔がんや疑わしい病変が見つかったら?

 がん治療の大原則は早期発見・早期治療です。もし口腔がんや疑わしい病変が見つかったら、提携医療機関である徳島大学病院・歯科口腔外科にご紹介させていただきます。

 また前がん病変(がんが発生しやすい状態に変化した組織)や前がん状態(がんとなる危険性が著しく増大している一般的な状態)があれば、当院の口腔外科医が厳重な経過観察を行わせていただきます。

口腔がんは早期発見・早期治療が大事です!

 口腔がんは、専門医療機関での検診により早期発見が可能な病変です。早期発見・早期治療は治療予後だけでなく治療後の患者様のQOLに大きく影響します。

 口腔がん検診による早期発見は、患者様のお口の健康を守る私たち歯科医師の使命でもあります。この機会にぜひ口腔がん検診で、お口の健康増進を図りましょう。