CT・マイクロスコープを用いた精密診療

歯科用マイクロスコープによる超精密診療

 今までの歯科治療は歯科医師の勘と経験で行われることが多いという側面がありました。歯はとても小さく、肉眼でその内部や細部までは見ることができなかったからです。

 しかし現在では医科で用いられていた手術用マイクロスコープが歯科用にモディファイされたものが登場し、診療で用いることが可能となりました。歯科でのマイクロスコープの普及率はまだ5%もありません。一般的な治療法とは言えませんが、根管治療専門医や精密な自費治療を行っている歯科医院では導入が進んでいます。

 当院でも歯周病治療や歯の神経の治療など肉眼では視認できない精密な治療にはなくてはならない設備と考えており、歯科用マイクロスコープの導入とスキルアップを行い、精度の高い治療をご提供できるようにいたしております。

 マイクロスコープを用いた顕微鏡歯科の第一人者、ペンシルベニア大学歯学部歯内治療学講座Syngcuk Kim教授はこう述べています。
'You can only treat what you can see.'(見えるものしか治療できない)

歯科用マイクロスコープによる精密治療の有用性

 歯科用マイクロスコープを用いると、歯の中など今まで見えなかったものが見えてきます。例えば直径2~3mmくらいしかない根管の中にある異物など、明るい光の下確実に発見することができます。これはさすがに裸眼では不可能です。

 この見えないものを見るという行為は、精度の高い治療を行うためにはなくてはならないものです。

当院では、歯科医師・歯科衛生士ともマイクロスコープの専門的教育を修了しています。
歯科用コーンビームCT(computer tomography)による硬組織の三次元的検査

 歯科用コーンビームCTは、主にインプラント、親知らずの抜歯、矯正歯科症例で見られる埋伏歯、歯内療法などの歯科治療・診断に用いられます。三次元の高画質画像を用いることで、断層方式パノラマエックス線撮影法や口内法エックス線撮影法では判別できない、痛みや症状の原因がわかることがあります。

CTによる精密検査の有用性

例えば骨の密度や厚さの厚い下顎の奥歯などをレントゲンと撮影すると、病変だけではなく骨も映ってしまい、はっきりと病変が確認できないことがあります。歯科用CBCTでは病変の位置だけ切り取ってみることができるため、レントゲンに比べはっきりとわかります。

歯科用CT(CBCT)はインプラント治療の術前シミュレーションに必須です。
歯科のCT、レントゲン撮影は安心です

 歯科医院で撮影するレントゲンの放射線量は、機種や撮影場所によって多少異なりますが、医科で受ける胸のレントゲンや、自然界で1年間に受ける放射線に比べて極めて少ない値です。ご心配の方もいらっしゃるとは思いますが、人体に及ぼすレベルには程遠いのでご安心ください。